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いわさきちひろについて

 いわさきちひろの童画は、素朴で繊細でありながら、強かな生命力を感じることがあります。

ベトナム戦争が激しさを増す最中に描かれた「戦火のなかの子どもたち」という絵本は、ちひろのすべてが出たと言われている作品ですが、その93ページに、戦火の彼方に消えた小さな命を象徴するような、以下の言葉があります。


あの子は

風のように

かけていったきり


 この言葉と共に描かれた少年の顔は、誰もがちひろにイメージする、パステルカラー鮮やかなかわいい少年少女の絵とは異なり、眼光鋭く非常に厳しい顔つきです。

 戦争で無数に失われてゆく幼い命。アメリカが起こしたその所業に対する、ちひろの怒りと深い悲しみ。それがこの言葉と少年の絵に命を宿し、魂を揺さぶるように訴えかけてくるのです。

 子どもの幸せと平和を願い、戦争で傷つき死んでいった子どもたちに心を寄せていたいわさきちひろ。彼女の優しさに溢れた水彩画の数々は、わたしの作家としての感性にも大きな影響を与えてくれました。

 没後50年近く経た今もなお、彼女の遺作は輝きを増し続けています。

 


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著者 加藤康弘プロフィール

1972年生まれ。愛知県幡豆町(現西尾市)出身◆高校時代より小説を書き始める。民主文学会に所属し多数の作品を生む。代表作「黄金の国」(民主文学2014年5月号掲載)◆2007年愛知県吉良町(現西尾市)町議会議員当選。1期務める◆空手道豊空会初段◆在日朝鮮人やビルマ民主化運動の活動家など多くの外国人を取材し交流をもつ。

推薦 浅尾大輔プロフィール

1970年生まれ。愛知県新城市出身1995年、第1回民主文学新人賞に応募、小説「ラウンド・ツウ」が佳作入賞。1997年、小説「ボンネットバス」で第1回伊豆文学賞優秀賞受賞2003年、小説「家畜の朝」が第35回新潮新人賞を受賞する評論家大澤信亮や画家増山麗奈らとともに、かもがわ出版から雑誌『ロスジェネ』を発行、2010年の終刊まで編集長をつとめる主な著書に「ブルーシート」など。

                 

 

新潟県出身横浜市立大学を経てフジテレビに入社「FNN朝駆け第一報!」のお天気コーナーでアナウンサーデビュー。「おめざめ天気予報」、「あなたの東京」など、数々の番組を担当。フジテレビの基本提供アナウンス「この番組はご覧のスポンサーの提供でお送りします」もナレーション。スポーツ記者や女性として初のプロ野球中継アナウンサーもつとめた現在は(株)シグマ・セブンに所属。舞台に上がりながら、youtubeチャンネル「菊池家リビングシアター」で太宰治や森鴎外など、数々の短編を朗読劇で配信。

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松井みどりプロフィール 

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