三浦建太郎氏の逝去と、その代表作「ベルセルク」について
- 加藤康弘
- 2021年6月15日
- 読了時間: 2分
ダークファンタジーの代名詞「ベルセルク」。
この大人気漫画の作者、三浦建太郎氏が先月亡くなられていたことを、恥ずかしながらつい先日知りました。享年54歳であったそうです。
「ベルセルク」といえば、中世ヨーロッパを思わせる異世界を舞台に、巨大な剣を担いだ戦士ガッツの復讐の物語。その緻密な作画で圧倒的なまでにダークな世界観を構築し、世界中のファンを魅了し続けてきました。その圧巻の物語は世界の多くの漫画家やゲームクリエーターに影響を与えたと言われています。
1989年に連載を開始したこの作品は、単行本で40巻まで刊行、世界数十か国で読まれ、累計発行部数は全世界で5000万部を超えます。テレビアニメ化や映画化、ゲーム化もされ、海外でも様々な媒体を通してその作品世界は表現されてきました。
この漫画の魅力を語ればきりがありません。
その読む者の胸を鷲掴みにする、嵐のような作画とストーリー展開。その続きがもう読めなくなると思うと、一抹の寂しさも覚えます。
1つ言えることは、薄幸の主人公ガッツの激しい生き様が、閉塞した現実世界に対する、「今」を生きる世界中の若者たちのやるせない気持ちや、持っていき場のない怒りや悲しみを代弁していること。そこに「ベルセルク」が世界を魅了し、愛され続けてきた秘訣があるのではないでしょうか?
これほどの世界観を描ける漫画家は、今後なかなか現れないでしょう。
遅ればせながら、あらためて作者三浦建太郎氏のご冥福をお祈り申し上げ、この投稿文をもって捧げたいと思います。

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