ドストエフスキーについて
- 加藤康弘
- 2021年1月6日
- 読了時間: 1分
ドストエフスキーの小説は難解ではありますが、深みにはまると癖になる中毒性があると自分は思います。サスペンスのお手本のようなスリリングな展開、一癖も二癖もある個性豊かな登場人物、その登場人物たちの独白…すなわち長い「」、その向こうに透けて見える心理、などなど。その魅力を語れば切りがありません。
ドストエフスキーの作品に魅了された読者は世界中にいると思うのですが、彼の小説が多くの人々に愛され続けている理由、それは登場人物や語り手の強烈な個性があまりにユーモラスであり、また自分自身にも少なからずある一側面を炙り出すからではないでしょうか?
人間誰しも、良くも悪くも愛すべき癖や、病的なまでに偏屈な心理を持ち合わせているものです。
癲癇を患っていたというドストエフスキー。
病んだ自身の心模様を冷静に分析し、観察していたからこそ、「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」などなど、多くの名作を遺し、ロシアを代表する文豪として名を馳せたのではないでしょうか?

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