ミャンマーのクーデターについて
- 加藤康弘
- 2021年2月3日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年2月5日
起きてはならないことが起きてしまいました。
ミャンマーで1日、アウンサンスーチー国家顧問ら政権幹部が国軍に拘束され、国の全権を軍が掌握。事実上のクーデターです。
スーチー氏らの拘束の理由は「選挙の不正をただすため」。
ミャンマーは去年の11月に総選挙が実施され、スーチー氏率いる政党NLDが改選議席の8割を獲得し圧勝。国軍側は「総選挙の不正」に選挙管理委員会や政権が対処しないと非難し、実力行使による権力の掌握を正当化しています。
しかし、報道を聞く限り、「選挙に不正があった」という根拠はありません。
思い起こせば1990年の総選挙でも、スーチー氏のNLDは圧勝しましたが、軍はこれを認めずスーチー氏を軟禁。愚かな行為を、歴史を、国軍は再び繰り返しているのです。
わたしは日本に在住するミャンマーの人々と交流する中で、彼らについての小説をいくつか書いてきました。「海光る」に収録した「チェーズー ティン バーデー(ありがとう)」もその1つです。
彼らは軟禁状態にあったスーチー氏と志を共にし、ミャンマーの民主化を目指すべく国際情勢を動かす活動を日夜続けてきました。2010年、その苦難がついに実り、ミャンマーは民主化への道に踏み出します。その価値ある歴史に逆行するかのような国軍の今回の暴挙。
ミャンマーの友人たちの心の痛みを思うと、いたたまれなくなります。
今後ミャンマーの情勢がどう動くのか?予断は許せない状況ですが、自分にできることがあれば最大限、友人たちのために力を尽くす所存です。

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