三国志演義について
- 加藤康弘
- 2021年1月16日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年1月17日
吉川栄治先生の傑作「三国志」のさらに元となっているのは、中国は明の時代に羅貫中によって書かれた「三国志演義」です。
もう語るまでもありませんね。日本に卑弥呼がいた時代、中国が魏、呉、蜀の三国に分かれ、天下を争う様を描いたご存じ歴史大作です。
現代においても映画や漫画、小説など様々なコンテンツに展開し根強い人気があります。
「三国志演義」は歴史書である「三国志」を踏襲した小説ですから、当然実在した人物は(脚色はあるにせよ)リアルに描かれ、おなじみの劉備、諸葛亮、関羽、張飛、趙雲、そして敵役の曹操…などなど、個性豊かな登場人物が物語を織りなしていきます。
まさにキャラクターの宝庫。彼らは己の知恵や武勇を競うかの如く、その限りを尽くしていくのですが、特に諸葛亮に代表される軍師たちの計略や采配、そして騙しあいなどは、そのシビアな戦国の世をエンターテイメント性豊かに彩ります。
また史実の「三国志」と、物語としての「演義」、その違いを楽しむのも醍醐味の1つですね。
例として「演義」ではヒーローの劉備ですが、史実ではその実像はかなり違います。曹操に攻め込まれた時、妻や子を置いて逃げてしまうなど、非常に情けない性格の人だったようです。
また三国志のクライマックス「赤壁の戦い」においては、諸葛亮の活躍が描かれている「演義」ですが、実際に魏を相手取ったのは孫権や周愉の呉。指揮をとった周愉の活躍があったからこそ勝てたのに、何もしていなかった諸葛亮のいいとこ取りだけが目立つ「演義」。
まあこの違いは歴史的な背景が複雑にあって、話せば長くなるのですが(三国志マニアには語るまでもない?)歴史的人物や歴史的闘いの様々な側面を垣間見て、楽しむのもいいですね。

Comments