直木賞作家、宮城谷昌光について
- 加藤康弘
- 2021年1月20日
- 読了時間: 1分
2020年度下半期の直木賞は、21歳の女流作家、宇佐見りんさんが書いた「推し、燃ゆ」に決まったようです。
直木賞と言えば、近年では,真藤順丈さんの「宝島」、川越宗一さんの「熱源」は素晴らしい作品でした。
実はわたしの地元出身の方で、直木賞を取った有名な作家がいます。
それが宮城谷昌光さん。彼は「夏姫春秋」で、第105回の直木賞を受賞しました。
「天空の船」「重耳」などで、古代中国を舞台とした歴史小説を書かれてきた宮城谷さん。
「夏姫春秋」はそんな彼の作品群の中で、最高傑作と呼んでも差し支えない大作です。
乱世に翻弄された美しい女性、夏姫を巡り、彼女を奪い合う英雄たち。 夏姫の妖しい魅力に憑りつかれた男たちは、やがて己の支配する国を傾国させていきます。その壮大な歴史ロマンは、春秋戦国時代をリアルに浮き彫りにし、夏姫という1人の女性の真実に迫っていきます。
宮城谷先生の書かれる小説は、どちらかと言えば歴史的資料に近い作風ですが、その時代の情景が鮮やかに蘇り、けして飽きることはありません。
歴史好き、特に中国史の好きな方にはお勧めです。

Commentaires